今回はECHの社員教育のしくみについて書いてみます。
昨年から新聞などでよく社員教育が話題として取り上げられます。
企業はDXなどの新しい技術を社内に取り込んでいかないといけないが、新型コロナ環境や労働人口の減少などからなかなか技術力を持った社員の採用がうまく行きません。
そこで、社員採用は続けながら、今いる社内の人材を育成し自社に不足している技術に対応しようとしています。
この社員教育が活発となったいま、当社の社員教育についてよく聞かれ、また、今年に入ってから当社は広告媒体による求人募集を再開しましたが、面接するときに社員教育の方法について必ず聞かれます。
ECHの社員教育・育成は、企業理念の「人を育て社会に貢献する」のもと、以下のような形で行っています。
・1年目
「座学+実機操作」を中心とした「テキスト中心の学習」を半年間続け、その後「研修会講師」などを行います。
学習は、ABAP基礎/応用、FI、SDなどのアプリを対象として行います。
・2年目~3年目
「研修会講師」および先輩に付いて「保守や導入現場」に入り、カスタマイズやテストといった現場経験を積み重ねます。
「研修会講師」業務では、講師を通してユーザが理解したいことを正確に掴み、端的に分かりやすい説明が行なえるようになることを目指します。
これは、私たちが現場へ出た時に必ず必要となるスキルです。
また、「保守や導入現場」業務でユーザと直接会話することで自分の知識の理解度を確認していきます。
・3年目以降
現場経験を積み重ねながら経験を深めていきます。
1年目から始まる「研修会講師」の目的と流れは以下の通りです。
・教材、ビデオ、研修受講などを通してABAP基礎知識などを身につける。
↓
・身につけた知識をプレゼンテーションを通して出せる知識として定着させる。
↓
・プレゼンテーション時に、ユーザ目線でなぜその機能があるか、実業務をイメージした理解をさせる。
↓
・得た知識を講師として出すことで、曖昧な理解を、腹落ちした理解とさせる。
↓
・講師を3回程度繰り返すことで、自分の頭の中で業務とSAPの画面がリンクし、業務の流れをSAPの画面を通して頭の中でイメージできるまで刷り込みを行う。
この段階的な習得法で、実際に現場に出たときに自分が学んだ技術をスムーズに現場業務に対応させることができるようになります。
また、1年目は下記のことにも重点を置いて育成を行っています。
・研修時は日報を提出させ、理解度の把握を行う。
日報を書く目的は以下の通りです。
・決めたことをコツコツとやり上げる能力を身につけさせる。
・研修内容が理解できているか把握する。
日報にはその日に何を学んだかを記載させる。
記載している文章の濃さで、理解度を推測する。
・目に見える形で成果、進捗度の認識をさせる。
・プレゼンテーションを必ず行う。
・プレゼンテーションができないとコンサルになれないという意識付けを行う。
・プレゼンテーション時に、先輩コンサルがチェックすることで、どこまで理解すれば良いかという学習理解の温度差を認識させる。
・先輩の仕事を見せて、自分の将来像がイメージできるようにする。
育成で使用する教材は以下の通りです。
・自社作成テキスト
SAPの標準機能の中から、シニアコンサルが実務で必要とする機能を抽出してパワーポイントで作成している。
図と説明文の構成で、ポイント解説を記載する。
具体的な実務例は、講師が研修時に業務事例などを伝える。
・自社構築SAPテンプレート
SAPサーバの中に、FI,SDなどの組織設定を行い、必要なマスタデータを登録している。
研修時はそのデータを使い演習を行うことでスムーズな理解ができるようにしている。
・ビデオ
過去の研修ビデオがあり、いつでもどこでも学習者はビデオ視聴が可能としている。
・サーバ
SAPサーバは自宅からでも24時間アクセス可能としている。
この育成のしくみを取ることで、SAP未経験の新人でも1年研修を受けたのち、2年目に教育講師をしたり、シニアコンサルに付いてOJTで学びながらジュニアコンサルとして活躍できるようになりました。
また、3年目以降の社員も、自分が更なるスキルアップを目指すときに、社内に十分な教材が用意され、1か月のリフレッシュ期間制度なども利用しながら成長していくことができます。
しっかりとした教育を行うことで、「ECHの社員は皆 技術力に長けた素晴らしいコンサル集団ですね」と言われるようして行きます。
2022/2/14
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