2021年10月30日土曜日

来年の構想

今回は会社の来年の構想について書いてみます。


毎年、「年頭あいさつ」として会社の1年間の業績や将来について書いていますが、そろそろ年末も近づいてきましたのでいま考えている来年の構想について書いてみます。


・採用について

 保守・教育ビジネスは今後も広がることが確実です。

 仕事の依頼は多くきますが、請けるために必要な人材がいないといった状況です。

 採用は今よりも積極的に行って行きます。

 今までは、採用した人材の育成選択肢はコンサルタントのみで行ってきましたが、今立ち上げている保守・教育部の人材を考えたとき、高度なコンサルタントを目指した採用のみではなく、開発者や保守ができるレベルのSAPコンサルの採用が必要となります。

 社員を育成する環境も整ったので、2年間の保守・教育部在籍を前提とした採用を積極的に行って行きます。

 採用は、東京に限らず、大阪、福岡でも行います。


・福岡教育センタ

 ECH大阪事務所は、パートナ会社による大阪事務所開設により現実的なものとなってきました。

 いま、福岡での教育センタ設立について動き出しています。

 福岡でSAP事業を行っている企業との人材育成に関する協業を探っており、数社と話を始めました。

 SAPに特化した教育アライアンスの締結も進めており、福岡地場の人材育成NPO法人などと連携した技術者育成のためのカリキュラムつくりにも着手しています。

 福岡は九州一円から人が集まってくる場所となっています。

 九州から大阪や東京への転出は遠いと感じている人たちが、都会を目指してくる先が福岡です。

 良い人材がまだまだたくさんいて、SAPコンサルタントになれる人材も多くいると見込んでいます。

 その人材を育成しコンサルとして育て、九州地区のプロジェクト現場や保守ビジネスなどで活躍してもらおうと思っています。

 そこで育った人材が大阪・東京で活躍する場も用意して広い商圏で活躍できるようしていきます。

 私一人では、東京・大阪・福岡を見ていくことはできないので、今いる社員の中で私と一緒に、大阪、福岡の活動を進めていく人材も選抜していきたいと思います。


・グループ活動について

 社員を採用し育成を行うとしたとき、全社での行動が必要です。

 いま行っているグループ活動に、メンバ育成の成果をチーム業績として加算する評価軸を入れたいと思いその仕組みを考えています。


日本は確実に少子化による労働人口の減少が起こります。

採用で「いい人を採用する」では社員を増やすことはできません。

いまある2年間の社員教育システムを充実させ、採用した人材をしっかりと育てあげられる仕組みの中で社員数を増やしていきます。


また、日本の労働人口で起こることに高年齢者の再雇用問題があります。

今は60歳を過ぎても人は健康で、また、年金など様々な問題から60歳を超えても仕事をしていく人が増えます。

この労働人口を会社がどうやって吸い上げていくか、これは社会の公器として存在する会社の1つの使命でもあると思っています。

再雇用者に対し、再教育による働く場の提供ができるようしたいと思います。

プロジェクト現場で1人月働くようなコンサルタントは無理だとしても、長年会社で働いてきた経験を活かしたPMOやテスターといった活躍の場ができないかを模索します。


あと、子育て、親の介護といった家庭の事情でフルで仕事に就くことができない方の働く場も設けていきたいと思っています。

このような環境の方はそもそも能力が高い人も多いので、在宅勤務によるテスターなど活躍の場が提供できればと思っています。


新型コロナも2年という経験値から、そろそろ外へ向けた積極的な動きを始める時期となりました。

大阪、福岡での信頼できる協力パートナも多数いますので、それら会社と連携しながら教育をキーワードとした会社の成長を目指します。


2021/10/30


2021年10月25日月曜日

5年後のECH

今回は5年後のECHについて書いてみます


最近、2040年の未来予測という本を読みました。

元日本マイクロソフト社長の成毛眞さんが書いた本です。


色々と興味深いことが書いていましたが、その本を読んで印象に残ったことに、20年後の未来はいま始まっているという部分がありました。

20年後の予測は今を見ることでわかるという事です。


100年前に日本にアインシュタインが来ました。

彼は、フランスから40日間かけてきたそうです。

神戸についたアインシュタインは、そこから10時間かけて東京へ行きました。

今は12時間でフランスから日本へ来れますし、神戸・東京間は3時間程度で移動できます。

さすがに100年という時間は社会に大きな変化をもたらせています。


今から40年ほど前に携帯電話が世の中に出てきて、20年前にiモードが出て携帯電話とインターネットがつながりました。

そして、13年前にアップルがアイフォンを社会へ出しました。

スマートフォンは今は当たり前になっていますが、13年前の評価は「こんなおもちゃははやらない」という評価だったそうです。


どの時代も、それぞれの技術は突然出てきているのではなく、移動手段技術、安全技術、無線通信技術、コンピュータ技術など、元となる技術は既にあり、それらの融合で新幹線や携帯電話などが出てきています。


これらを考えたとき、5年後の未来は直ぐにやってきますし、またその未来図は今の様子から見えているはずです。


ECHはいま、SAP業界で大きな問題となっている技術者不足の問題を解決するための先頭を走っています。

業界の中ではなかなか人材が育たず、現場OJTで知識を付けてきたシニアコンサル、短期的なテキスト学習・試験対策学習で知識を身につけているコンサル、個人のがんばりに依存した技術者育成など、各社ができる部分だけを行っています。


慢性的な技術者不足はこの業界の風土から来ています。

OJTでなんとかできるのではないかや、資格をとれば仕事ができるのではないか、たまたま個人のがんばりでコンサルとしての仕事ができるようになった人を見て、ほかの人もみんなできるのではないかなど、どれも個別事象のみに目が行って、複合的な解決策を考え行っている企業がいません。

その複合的な手法をECHは作り上げ、今や業界への技術者排出ノウハウをもつ企業として他社をけん引しています。


5年後のECHは、業界の中で人材育成で他社の追随を許さないほどの差をつけ、他社が人材育成コンサルティングを依頼してくる会社となっています。

中小から大手のSAPコンサルベンダが、ECHの教育講座を受けることが当たり前となり、学生の教育から、新入社員、中堅社員、それぞれに合った教育カリキュラムを揃え、プロジェクト現場ではECHの履修生が数多く働いているという状況にします。


ECHの社内は、社員の希望に沿った形でシニアコンサルとして現場で活躍する人、2年間の会社の教育カリキュラムを履修した新人を連れて現場で後輩の指導をしながら複数の現場を担当するシニアコンサル、現場経験を増やすために様々な業種のプロジェクト現場を経験中のミドルコンサル、入社間もない社員が保守・教育部でそれぞれ活躍している状況となっています。


また、大阪でも10人を超える社員が関西地区で地場のSAPベンダと協力しながらプロジェクト現場で活躍し、大阪地区での保守・教育部メンバが保守事業と教育事業を行いながら、大阪採用の社員の育成を行っている状況です。


福岡では、教育センタとしての役割を持つ事業所を設置して、九州地区の優秀な人材をSAPコンサルとして育成しているという状況となっています。


東京本社は50階のフロアを借りて、富士山が見える事務所で研修室を設けて教育事業を行いながら、社員がプロジェクト現場から戻ったときに安らげるような環境で働く。


これらを5年後には作りたいと思います。


2021/10/25


2021年10月13日水曜日

SAPコンサルタントを育成したい

今回は、最近よくSAPコンサルタントを育成するためにはどうすれば良いかという相談を受けるのでそのことについて書いてみます。


最近、大手コンサルファームや中堅SAPベンダ、NPO法人など、多くのところからSAPコンサルタントを育成するためにはどうすればよいかという相談を受けます。


1つに、新型コロナウイルスの広まりと共に自社ビジネスの将来に不安を感じ、またジョブ型雇用・DX人材不足などから、社員の再教育・人材投資などが今までにない盛り上がりを見せていることからの影響かと思います。


今までは既存ビジネスに力を入れ、市場を獲得することに力を注いでいた企業が、異業種への進出、新たなビジネスの展開などに備えるために、社員が今持っている技術だけではなく新たな技術を身につけさせようという動きです。


その流れの中で、SAPコンサルティング事業は収益率が高く、人材が不足している市場なので各社が目をつけて人材育成に取り組んでいるようです。

しかし、人材不足からも分かる通り、SAPコンサルタントの育成は難しく過去からずっと短期での育成ができない分野でした。

その中で、ECHが行ってきた社員教育の話が業界内で広く伝わっていったのだと思いますが、様々なところから「教育講座の依頼」にとどまらず、社員育成をするためのノウハウを教えて欲しいという声がかかるようになりました。


SAPコンサルタントの育成は普通のIT技術者の育成とは異なり、独特の育成手法を使わないといけません。

IT技術者であれば概ね以下をポイントとして育成します。

・専門の技術知識

・実機を使う操作知識

・障害対応のためのケーススタディ

これらを一通り習得すれば、現場に出てもチームを支える力となり働くことができます。


SAPコンサルタントの場合は上記能力に加えて以下の能力も必要とします。

・仕事がどのように行われているかの業務知識

・1つの事象から影響を受ける範囲を想定し、どのような機能が関わるかを探し出す能力

・相手が言っていることを理解し、理解できない部分については相手から詳細に渡り情報を聞き出す能力

・簡単な言葉のみを使った説明能力

・相手から情報を出してもらえるコミュニケーション能力


IT技術者に必要な能力は本屋に行けば概ね必要な情報は揃っており後は時間をかければ習得できます。

SAPコンサルタント特有の能力はどれも本屋で1つの本を買えば身につくものでなく、本人の今の資質を見極めて教育していかないと身につかない能力です。


私が相談を受けたときに相手へ言う育成ノウハウは以下が中心となります。

・現場へ出してOJTで教えることができるものではない

・現場へ出して小さな満足感を得ると、そこで小さくまとまってしまい、お客様の色々な要求に応えることができるコンサルになれない

・習得した知識が本物かどうかを見極めるためにデモなどを行い、貯める知識ではなく出せる知識となっているか確認する

・出せる知識を習得するための学習方法を指導する

・現場は経験が必要なので、実機の操作を何度も繰り返し実務を想定したシミュレーションする

・どこでも使うような機能は、何も資料がなくても全て実機操作ができるようになる

・SAPシステムがゲームのように面白く感じられるまで使い込ませる


この育成ノウハウを外に出さず、自分の中にしまっておくことを助言してくれる人もいますが、そのような小さな視点で物事を考えると自分一人は成功しても、会社や周りの人を巻き込んだ成功は望めません。

私はこの業界に入った時から「これはおかしい、私が業界を変える」と思っていることがあります。


SAPを導入しているユーザから「SAPは使いずらい」と時々聞きます。

でもよく話を聞いてみるとSAPが持つ素晴らしい機能を使い切れていないことが多いです。

また、ユーザの要求がSAPシステムに備わっている機能かどうかわからない時に「お客様から報酬をもらっている時間でSAPの機能調査を行う」といったこともおかしな行動と思います。

「そもそも、コンサルタントなのに機能を知らないのか」という事です。

これではユーザは「SAPは使いずらいしお金がかかる」という印象を持ち、結果としてSAPシステムは広がりません。

SAPシステムの良さをSAPコンサルタントが熟知し、ユーザに合った、ユーザが満足するシステムを作り上げないと自分たちの仕事が将来無くなるのです。


そういった思いから、私は自分が今までに得てきたノウハウを同業の方にも伝えています。

SAPシステムの良さが多くのコンサルタントからユーザに伝われば、将来SAPを使うユーザが増え、結果として私自身もやりがいのある仕事が増えるという思いです。


2021/10/13