今回はマシュマロチャレンジについて書いてみます。
マシュマロチャレンジとは、それぞれがチームに分かれて競い合うゲームです。
各チームには、スパゲッティの乾麺20本と90センチのひも、粘着テープ、マシュマロが1つ配られます。
そして18分間で、頂上にマシュマロを乗せた塔をできるだけ高く作り上げます。
このゲームはリーダーシップ開発のワークショップに有用なものとして使われています。
このゲームを、MBA学生、弁護士、幼稚園児などで競った結果、MBA学生より幼稚園児の方が高い塔を作ったという結果が出ました。
その理由を見てみましょう。
部屋に集まったMBA学生たちは、まず最初の数分間でチーム内での支配権を得ようとします。
やがて誰かがリーダーとなり、次の数分間は作戦会議に当てます。
そして残り時間が8分をきる頃、塔の作成が始まります。
残り1分というところで、きれいに建てられた塔の頂上に誰かがマシュマロを置き……そして崩れてしまいます。
学生たちは未経験な事に出会った時に、今までの学んだことからチームを築きやり方の検討を始めます。
そして、やり始めたときにはトライアンドエラーを行う時間が無くなります。
MBAの学生たちがぱっとしない一方、幼稚園児たちの成績はそれ以上です。
子どもたちは躊躇せず、ただ試しています。
何かうまくいかなければ、また別のことを試します。
チームが混乱状態に陥ることも時にはありますが、トライアンドエラーから子どもたちの成果には目を見張るものがあります。
このデータから得られる教訓は何でしょう。
私たちは皆、創造性と好奇心を生まれつき持ち合わせています。
しかし多くは、学校教育を受けるにしたがって、または会社組織で上へと進む過程で、規則的にそれらを忘れていく――こう結論づけざるをえない結果です。
これらの事実が示唆することは何か。
生まれつきの創造性や好奇心は忘れてはいけない大事なものであるということです。
自分の中にいる幼稚園児を呼び覚ますには、禅の達人が言うところの「初心」に帰るという方法があります。
つまり、自分が答えを知らず、答えを見つけるスキルも持っていない状況に身を置きます。
仕事であれば、新たな仕事にチャレンジするなどです。
色々な場面で直面する困難や不確実性は、今後減るどころかますます多くなると思います。
それに備える最善の方法は、普段から新しく混沌としたことに身を投じ、挑戦に結びつく機会を逃さないことです。
そうすれば結果がどうであれ、幼稚園児より高いマシュマロの塔を建てる助けにはなるでしょう。
2024/7/30