今回は人を育てるときに知っておいた方が良い「ピグマリオン効果」について書いてみます。
ピグマリオン効果とは、アメリカの教育心理学者ローゼンタールが発表した言葉です。
ローゼンタールの行った実験では、教師が期待をかけた生徒とそうでない生徒との間では、成績に大きな違いが出てきたというものです。
期待をかけた生徒の方が、学力的な成長が大きいという結果が表れました。
このピグマリオンという言葉ですが、ギリシャ神話に出てくる王様の名前です。
王様は、自ら作った女性像に恋をしその恋が報われるように祈り続けたところ、女神がその祈りを聞き入れてくれて女性像に命が吹き込まれたという神話で、このことから「期待を持ち続けることで良い効果が表れる」ということでピグマリオン効果と名づけられました。
ローゼンタールが行った実験は、小学生を対象にテストを行い、その結果から「成長が期待できる生徒」と「成長が期待できない生徒」として2つのグループに分けたことを教師へ伝えました。
そして、8か月後にもう一度テストを行ったところ、「成長が期待できる生徒」とされたグループの成績は大きく伸びるという結果となり、学習への意欲や自主性にも向上が見られたというものです。
ただ、最初に行われたテストはただの知能テストで、またその結果についても全く考慮しない形で生徒を2つのグループに分けただけでした。
このように「期待を持ち続けることで良い効果が表れる」という、人を育てる上では期待を持ち接することが重要であることが証明されました。
このピグマリオン効果を1on1に活かすこともできます。
上司と部下が個別にコミュニケーションを深める1on1の際、ピグマリオン効果を意識して適切なフィードバックやサポートを行うことで、部下はモチベーションを高め良い結果を出すことができます。
なお、このピグマリオン効果をうまく活用するためには注意も必要で、こまめなコミュニケーションが重要となります。
上司と部下が定期的にコミュニケーションを取りながら、ピグマリオン効果を意識し進捗状況や課題について共有しフィードバックを行うことで、ピグマリオン効果はその効果を十分に発揮できるでしょう。
普段のコミュニケーションの中で、このピグマリオン効果を意識していきましょう。
2024/4/22
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