今回は私たちコンサルティングという仕事や普段の人との関わり合いにおいて大事なコミュニケーションについて書いてみます。
先日「BCG流 経営者はこう育てる」という本を読んでいると、コミュニケーションには2つの次元があるという記述がありました。
人の気持ちを理解するにはこの2つの次元を知っておくと良いという内容でした。
人間同士がコミュニケーションする時には、同じ言葉を使いながら、実は異なる2つの次元でコミュニケーションをしているという事です。
1つは「ロジカルな次元」でであり、明示的に口調や文字で語られます。
もう1つは「エモーショナルな次元」で、コミュニケーションではあまり明示的には語られず、暗黙のうちに伝わるものです。
1つの例として、コンサルタントとそのクライアント(お客)が下記のような会話をしたとします。
コンサルタントから:
「あなたは売上を上げるために営業マンを倍増した。分析の結果、それは費用対効果が低いことが分かった。むしろ行うべきは営業マンの訪問先および訪問回数を増やすことである。」
このような会話は「ロジカルな次元」となります。
行った事実に対して、その評価、対策を伝えています。
ただ、このやり取りにはもう1つ違った次元が裏で動いています。
口調では同じことを言っていても、「エモーショナルな次元」では暗黙のうちにまったく正反対のメッセージが伝わる可能性があります。
①私はあなたが嫌いだ
②私はあなたが好きだ
のどちらのメッセージもです。
①の場合は、「あなたは間違った意思決定をした。このような考えは経営者として考えが浅く、私はあなたに共感できない。」というメッセージです。
②の場合は、「成果を出そうと一生懸命に努力しているあなたに私は強い共感を覚えます。私はあなたにぜひとも成功して欲しいし、私ができることは何なりとサポートしたい。私があえて過去の失敗を掘り返しているのは、あなたを助け、あなたに成功して欲しいからです。」という正反対のメッセージです。
このようなエモーショナルなメッセージは暗黙のうちに伝わります。
エモーショナルメッセージをうまく伝えることが苦手と感じる人も多いのですが、このような結果を見るといつも気をつけていないといけない事です。
この解決方法として1つのやり方としては、ストレートに「あなたに共感します。あなたの成功をサポートしたい。だからあえてこのような苦言を申し上げているんです。」と相手に伝えるというのも時には良いことだと思います。
人とのコミュニケーションは自分が気づかないうちに違った形で相手に伝わることがあります。
メッセージには「エモーショナルな次元」があることをいつも忘れず、自分が思っていることを相手にしっかりと伝わるよう日々気をつけることで、円滑な対人関係の構築ができます。
2025/2/6
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