2021年12月6日月曜日

稼働率7割以下

今回は「稼働率7割以下」について書いてみます。


先月日経の経営者勉強会で仙台へ行ってきました。

アイリスオーヤマ株式会社への会社訪問です。

半日をかけて、アイリスオーヤマの工場を見学し、大山会長の経営に対する考え方を聞いてきました。


大山会長から色々と経営者として行う事、考え方などを聞きました。

たくさんの経営に役立つ話を聞かせていただきましたが、特に印象に残っている事として「稼働率7割以下」という事がありました。


「稼働率7割以下」とは、アイリスオーヤマは家庭用品や家電などを作っているメーカですが、工場の稼働率をいつも7割以下に保つという経営を行っています。

通常、工場の稼働率は100%が最適のように思います。

これは無駄のない投資という事で、工場の生産設備が遊ばないよう受注量に見合った生産設備を作り無駄をなくすといったやり方です。

トヨタ自動車のジャストインタイムなどがよく話題に取り上げられます。

無駄な在庫は持たず、設備を有効に使うという考え方です。


では、なぜ大山会長が稼働率7割(3割は動いていない)という生産設備を作るかというと、急な需要にも応えられるようにするためという事でした。

アイリスオーヤマは現在急激に伸びている会社です。

昨年のグループ全体の売上高は約8,000億円、前年の5,000億円から一気に3,000億円増えました。

3,000億円はとてつもない金額です。

これができたのは、1つに稼働率7割経営があります。

現在の急激なマスク需要、巣籠需要に応えることでこの成長を達成できたのです。


この考えは、東日本大震災の時にも活かされています。

震災直後のLED電球の急激な需要にアイリスオーヤマは応えることで急成長を遂げました。

当時LEDでは後発であったアイリスオーヤマは、大手家電メーカを抜き去りLED電球で国内トップシェアに躍り出ました。


この様に急激な成長を遂げたアイリスオーヤマですが、この考え方をするためには、稼働率7割でもやっていける経営手法が必要です。

稼働率7割でも利益が出て、社員に給与が支払える仕組みです。


私は今世の中で出来ていないことをやることが、これからの日本で安定経営を行うために必要な事と思っています。

人口が継続して増えている時代は、人と同じことをしていてもどの市場も総じて伸び続けているので大丈夫でした。

極端な話し、誰でも経営ができた時代です。

しかし今は、人口は減少していく時代です。

これは予測ではなくて、確実に起こる未来です。


消費者が少なくなるという日本で、人と同じものを作っていては生き残れません。

SAP業界は、社員は1人月フルで働いてもらうといった事が当たり前になっており、1人月前提で経営を行っている企業が多くあります。

しかしこれでは社員にがんばれという要求だけで、社員のワークライフバランスの実現や、何かあったときのサポートができません。


ECHは、今は1か月リフレッシュ休暇制度がありますが、更に社員が7割稼働でもやっていける経営を目指します。

そのためには、社員が1人月働くことを前提とした収益(売上)形態ではなく、短時間で付加価値の高い業務につけるようビジネスモデルを作っていきます。

その1つである研修ビジネスはたいぶ形ができてきました。

教育ビジネスでは、研修以外にも人材育成コンサルティングやビデオ研修なども今後伸びていく分野になると思います。

これらモデルを試行錯誤しながら新たなモデルとして作り上げていきます。


現在行っているコンサルティングビジネスも、社員1人1人のスキルレベルを上げて、プロジェクトにどっぷりつかって売り上げを上げるのではなく、複数のプロジェクトを掛け持ち、それぞれのプロジェクトで困っているコンサルへアドバイスや指導をするといったビジネスモデルの構築も考えています。

その試行をいま私が行っており、この形がビジネスモデルとして形作ることができれば、1人月働かなくても今と同等の収入を得ることができると思っています。


多分多くの人は「できない」と思うでしょう。

でも、世の中で社会のためになり多くの人へインパクトを与えるようなことはいつの時代も「できない」と言われてきたことです。


この「できない」ことにチャレンジしていきます。


2021/12/06


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