今回は黒田官兵衛の水五訓という言葉に出会ったので紹介します。
黒田官兵衛は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という3人の天下人に仕えた武将です。
戦わず交渉で敵を降伏させるという希有な才能に長けており、軍師として秀吉の天下統一に大きく貢献した人物です。
また、福岡城の築城や町の区画整理に関わるなど、私の出身地の福岡にゆかりがあり、59歳で亡くなると崇福寺(福岡市博多区)に葬られました。
黒田官兵衛は「水五訓」という教えをのこしています。
<水五訓>
1,自ら活動して他を動かしむるは水なり
2,障害にあい激しくその勢力を百倍し得るは水なり
3,常に己の進路を求めて止まざるは水なり
4,自ら潔うして他の汚れを洗い清濁併せ容るるは水なり
5,洋々として大洋を充たし発しては蒸気となり雲となり雨となり雪と変じ霰(あられ)と化し凝(ぎょう)しては玲瓏(れいろう)たる鏡となりたえるも其(その)性を失はざるは水なり
その意味は、以下の通りです。
1,自分自身が動いて模範を示すことで、周囲を動かしていく。
2,たとえ障害があっても、その障害が自分の能力を増すものとなるので努力は続ける。
3,自分が決めた道は、迷うことなく進んでいく。
4,嫌いな人でも追いやったりせず、良いところを見つけ共にがんばっていく。
5,蒸気となったり、雲や雨、雪やあられに変化しても入れ物を変えれば形が丸や四角に変わるのが水である。
しかし形が変わっても水の性質は失われない。与えられた環境の中で柔軟に変化し成長することが大切である。
「水五訓」はリーダとして組織を動かす人が知るべきことを表しています。
人へ指示する前に自分がしっかりとその模範を見せ、自分が先んじて動くことで周りの人も動くという環境をつくり、
目の前に障害が出てきてもすぐにあきらめるのではなく、粘り強く打開の方法を考えることでその考えることが経験値となり自分をより上のレベルに引き上げてくれます。
また、1度決めたことを信じて成功するまで努力を続け、あきらめなければ失敗は無いということを強く心に持って臨むことが大事です。
次に、人はそれぞれで、自分と同じ考え方でない人を非難したり避けることはせず、その人の長所に目を向けてその長所をいかに伸ばしていくかを考えることが必要です。
欠点を直すことに労力を注ぐのではなく、長所を見つけその長所をいかに伸ばしていくかが人を育てる要所となります。
社会では様々な環境に出会います。その環境に柔軟に対応していく事が必要ですが、その中でも自分というものをしっかりと持ち、周りに流されず自分の柱を持ちながらも柔軟に周りの環境に適応していく事が必要です。
これからリーダーとなる人がこの「水五訓」を心に留めて、周りの人から尊敬され付いて行こうと思われる人を目指していきましょう。
2023/12/6
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