2023年12月11日月曜日

守破離

今回は「守破離(しゅはり)」という言葉を紹介します。

この言葉は、1500年代の茶人として知られる千利休が詠んだ「規矩(きく)作法、守りつくして破るとも、離るるとても本を忘るな」という和歌に由来するものと言われています。

(規矩とはコンパスとさしがねのことで寸法や形を意味する言葉です。ここから、きまりや規則という意味になっています)


守破離は、日本の茶道や武道などでの師弟関係のあり方としたもので、その修業の過程を3つの段階で表しています。


守は、基本や型を守りながら身につける段階

破は、既存の型を破り発展させる段階

離は、基本から離れ、独創的かつ個性を発揮する段階


この守破離は、何かを学ぼうとするものが心に持つことで上達への近道とされています。


私たちITコンサルタントは多くの知識を身につける必要があるため、先輩から色々なアドバイスを受けながら知識を増やしていきます。

その時にどのような姿勢・考え方で知識の習得に臨むかで成長の速度が大きく変わっています。


守破離になぞらえて考えてみると、

守は、テキストに記載していることや先輩のプレゼンテーションなどをそのまま真似をし覚えることで基本としての型を身につけていきます。

この時にやり方を真似ず自分独自の方法で知識習得を図ると、最初は覚えが良いかもしれませんが覚える量や関係性が複雑になってくるとその理解がスムーズにいかなくなることがあります。

まずは出来上がっている先輩の型を「すなお」に学ぶという姿勢が成長速度を速め、結果として成功への早道となります。

破は、先輩などから学んだ知識を元にして、ここで自分なりの創意工夫して独自の仕事のスタイルを確立し、自身の意思で方向性を決めていきます。

「守」によって基本ができているので、自分なりの工夫が理にかなったものとなり、一番自分に合った型を作り上げることができます。

離は、「破」によって作り上げた型は自分の創意工夫で作りあげたものなので、先輩などから完全に離れ自分独自のスタイルを作りあげることで他者へその型を分かりやすく伝えることができるようになります。

和歌の最後にある「本を忘るな」は、教えを破り離れたとしても元となる考え方を見失ってはいけないという大事なことを示しています。


先人から真似る、このことはどのようなことにおいても大事なことです。

また、守破離だけでなく、過去の先人が書いた本を読むことも自分を成長させるには大事な事です。


あと、基本の型を会得しないままにいきなり個性や独創性を求めるのはいわゆる「型無し」と言われ、型を身につけた人がそこから型を破って自分の形を作ると「型破り」と言われています。


2023/12/13


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