2021年3月1日月曜日

師と仰げる人

今回は「師と仰げる人」について書いてみます。


私は今までに何度か仕事に関しての転機がありました。

新たな資格を取得したり、研修を受けたり、転職、起業などです。

そういった中でも、仕事をする中での人との接し方について教えをいただいたという大きな転機があります。


私が30代後半になる頃で、会社でも部下ができてきた頃です。

会社の中でより大きな仕事を任されるようになってきて、一人ではできないサイズの仕事を任されるようになりました。

そうすると部下を巻き込みながら仕事を上手く進めていかないといけない立場になりました。

自分一人で仕事をしているうちは、仕事の大きさも小さいので自分ががんばればなんとかなるもので、夜遅くまで仕事をすれば仕事は処理できていました。

しかし、仕事のサイズが大きくなると人の力を借りて(使って)仕事をしないと自分一人では到底できるものではなくなります。

そこで人へ仕事の指示をするのですが、なかなか人は自分の思い通りには動いてくれません。


私は「夜遅くまで仕事をしてでもやるべきことはやらないといけない。仕事とはそうゆうものだ」と考えていたので周りの人たちの動きが私の思いと違ったときにとてもストレスを感じ、「どうしてみんなはもっと仕事をしないのか」と思っていました。

その思いに迷いなどは無く、自分が正しいと思っていました。


当時私には部署は違うのですが本田さんという女性の上席者がいました。

ある時本田さんに呼ばれ「廣田さん、あなたのやり方では仕事はうまくいきませんよ」と言われました。

なぜかを教えてくれたのですが、「人はそれぞれ違います。あなたのあたりまえは他人のあたりまえではないのです。仕事をうまくやりたいのでしたら、相手の行動を理解しようとする姿勢が必要です。」と言われました。

私は本田さんから、人それぞれ育ってきた環境が違い、経験してきたことも違い、能力も違うということを教えられました。

当時、職責も上がっていた自分に注意・指導をしてくれるような人はいない中、本田さんから言われたことはとてもショックな事でした。

自分は正しいと思っていたことが、まだまだ自分は経験が少なく本当のことが分かっていないということに気づかされました。

それからは、相手が自分の考えとは違う行動をとったときに、その人がどうしてそのような行動をとったのかをまずは考えるようになりました。

相手には相手の事情、自分が知らない理由があるのではないかと。


私が今会社という組織が作れているのも当時教えていただいたことがあるからだと思います。

何か起こったときに、一旦相手の側に立って物事を考えてみて、そうゆう行動をする理由がどこかにあるのではないかと思いを巡らせるようになりました。


いま本田さんは会社を定年して非常勤で前職の仕事を手伝っていますが、今でも多くの人から慕われており、当時の社員が集まったときにはいつも感謝の言葉が出てきます。

本田さんは前職は日本航空国際線のキャビンアテンダントをしていた人です。

女性で素晴らしい能力をお持ちの方です。

今でも年に2回は電話で話して、自分自身の行動を見つめなおす良い機会となっています。

師と仰げる人を持つことはとても大切なことだと思います。


2021/3/1


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